ドキュメント 屠場
2010年6月 1日(火) 00:00 JST

鳥羽一郎の話ではありません。

食肉の加工工場で働く職人さんたちのインタビューを中心にした本。
日本の食肉の歴史・政策、差別、部落問題など基本的な知識を得ると必ず気になる、
「本当の現場の、労働者の声」が紹介されています。
あえて「屠場」という言葉を書名に採用したのは著者の意図するところだと思いますが、
内容は至って明快でわかりやすく、淡々と食肉の現場を伝えている良書だと思います。
前提知識となる諸所の問題についてはあえて深入りしないで書かれている点は、
食肉の現場で働いてきた人々を偏見無く理解できる手助けになると思います。
ただ、そこを物足りないと見るかどうかは、この本に期待するところによって
変わってくるかと思います。が・・・
すくなくとも、「牛や豚からお肉が出来るまで」がばっちり判る、
大人向けの社会科の本、という感想です。