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アトミックソルジャー

読書感想文

アトミックソルジャー (単行本)
ハワード L.ローゼンバーグ (著)
中尾 ハジメ (翻訳)
アイリーン・スミス (翻訳)

核実験において被爆し医学的障害を受けた兵士達は、
「アトミック・ソルジャーズ(atomic soldiers)」
と呼ばれている。

アメリカの核兵器開発の歴史における、
核実験と軍事演習が繰り返し行われてきた
真実の記録書です。

ある1兵士の体験と追憶を交えながら、
核実験に立ち会った兵士たちの体験と
歴史の記録が綴られています。


誇張や卑下も無く、淡々と事実を明らかにする本書の姿勢は、
読む側に不信感を抱かせることがありませんでした。
こういう本は100%信用してよいものか、なかなか判断が難しいのですが、
本書は概ね、真実であることを素直に納得させられる内容でした。

核実験の事実と歴史について特に持論・意見を述べるでもなく、
むしろ無関心とも思わせるような彼ら当事者の姿を知ることが、
アトミックソルジャーについて理解を深めることになるかと思います。

自由の国アメリカで、なぜ彼らは自ら進んで核実験に立ち会ったのか、
ずっと理解に苦しんできましたが、この本がすべてを明らかにしてくれました。

結論から言えば、、、そう、彼らは知らなかったし、知らされていなかったし、
大して知ろうともしなかった。それが、アトミックソルジャーという悲劇を生んだのです。

ただ本書を読む前に、アメリカの核兵器開発の歴史について、
多少の予習が必要かもしれません。

日本人はこれまでずっと大国の後を追っていた、後進国であったわけですから、
先進国であることとはどういうことか、常に先頭に立って人類を導くということはどういうことか。
そして、常に先頭に立って犠牲となってきた人々を正しく理解しなくてはいけない、と思います。

「ひどい話だ」とひとくくりに片付けるのは簡単かもしれません。
しかしやはり、人はまだまだ未熟であるという謙虚な心を忘れてはいけないということを、
この話は教えてくれているような気がします。


本書を手にとったきっかけは、軍事動画(核実験)において
爆心地に向かう兵士たちを撮影した軍事記録フィルムでした。

広島や長崎は日本人なら誰でも知っていますが、
核兵器とその歴史について、日本以外の視点で触れる機会は
なかなか無いような気がします。

内容はある意味難しいですが、もっと読まれてもいい本だと思います・・・


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